「休んでも疲れが取れない」……その原因、脳の老化ではなく「腸」にあるという説があるそうです。
最新の研究では、脳と腸がテレパシーのように情報をやり取りする「腸脳相関」が注目されています。
今まで知らなかった腸の驚きの潜在能力とは?図解でひも解いていきます。
腸は「第二の脳」?独自の神経網 ENSとは
腸には、脳以外の場所で唯一、独自の判断で動ける神経ネットワーク「ENS(腸管神経系)」が存在するのだそうです。
その凄さから、専門家の間では腸は「第二の脳」と呼ばれていると言います。
脳からの指令がなくても、腸は自律して働き、常に脳へ情報を送り続けている……!。
つまり、腸のコンディションが私たちの「思考」や「気分」を左右している可能性があるというわけですね。

脳と腸を繋ぐ高速道路「迷走神経」
脳と腸は、「迷走神経」という巨大な神経の束で繋がっていると言われています。
面白いことに、この情報のやり取りは、脳から腸へよりも、「腸から脳へ」の方が圧倒的に多いという研究結果があるのだとか。
腸が「今は環境が悪いぞ」という信号を送り続けると、脳がそれを「不安」や「ストレス」として誤認してしまうこともあるようです。

脳への影響:期待できる効果とリスク
では、腸内環境が整う(あるいは乱れる)ことは、50代の脳の働きに具体的にどのような影響を与えるのでしょうか。研究レベルでは、以下のような関連性が指摘されているようです。
【腸が整っていると・・・】
- ストレス耐性の向上: 腸が整うことで、脳のストレス反応が過剰になるのを防ぎ、プレッシャーがかかる場面でも落ち着きを保ちやすくなると言われています。
- クリアな思考と判断力: 脳内の神経伝達物質のバランスが整い、「頭がスッキリしない(ブレインフォグ)」状態が改善され、仕事の決断力が維持しやすくなる可能性があります。
- 意欲・活力の維持: やる気に関わるドーパミンなどの伝達物質の合成をサポートし、年齢による意欲低下を防ぐ一助になると期待されています。
【腸が乱れていると・・・】
- 脳の慢性的な「炎症」: 腸のバリア機能が低下して有害物質が漏れ出すと、それが巡り巡って脳に軽度の炎症を引き起こし、疲労感やうつ気分の原因になるという説があります。
- 不安感の増幅: 腸からの不快な信号が迷走神経を通じて絶えず脳に送られることで、理由のない不安や焦燥感に襲われやすくなるリスクが指摘されています。

今回の学びをまとめると、ポイントは以下の3点です。
- 腸は「ENS」という独自の神経を持つ、自律した「第二の脳」であること。
- 「迷走神経」という高速道路を通じて、腸の状態が脳へ絶えず報告されていること。
- 腸を整えることは、ストレスに強い脳を作り、思考のキレを保つための土台となること。
「なんだか仕事の調子が上がらない」と感じたとき、気合で乗り切ろうとする前に、少しだけ「お腹の声」に耳を傾けてみる。
そんな冷静なアプローチこそが、50代からの賢いコンディショニングと言えるのではないでしょうか。
出典・参考文献
今回の記事を執筆するにあたり、以下の公的機関・専門機関の情報を参考にしました。
- [ヤクルト中央研究所] 腸内フローラと脳・神経系(前編)https://institute.yakult.co.jp/kan_yu/bioreport/21.html
- [ビオフェルミン製薬] 腸内細菌とメンタルヘルス https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/chounaiflora/mental_health/
- [厚生労働省 e-ヘルスネット] ストレスと食習慣 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html