「最近、昔のように無理がきかない」——そんな50代の切実な悩みの答えが、まさか「あの」ミトコンドリアだったとは。
小学校の理科の教科書で見た、「何となく不思議な形をした細胞の一部」。当時の私は、それが自分の命と活力を根幹から支えている存在だなんて、想像もしていませんでした。
それからおよそ50年。50代からの健康戦略を真剣に模索し、最新の科学やサプリメントを学ぶ中で、私はこのミトコンドリアの「本当のすごさ」に圧倒され、改めて深い感銘を受けたのです。
実は、私たちが直面する衰えは、気合や努力不足ではなく、この「細胞内のエネルギー工場」が古くなり、数が減ってしまっていることが根本的な原因です。同世代の皆さんも、この事実とミトコンドリアの働きを知れば、きっと私と同じように驚くはずです。
今こそ、私たち50代はミトコンドリアを「再認識」すべき時。私がこのブログパートでミトコンドリアをメインの題材にしている最大の理由も、まさにそこにあります。今回は、50代からのウェルビーイングの鍵を握るミトコンドリアの驚くべき真実を、最新科学に基づきながら分かりやすく紐解いていきます。
細胞の中の「元・エイリアン」? ミトコンドリアの数奇な生い立ち
私たちの体を構成する細胞の中に、実は「独自のDNA(遺伝子)」を持った別の生き物が住み着いているのをご存知でしょうか。
約25億年前、私たちの遠い祖先である細胞の中に、酸素を使ってエネルギーを作るのが得意な「別のバクテリア」が入り込み、共生を始めました。これがミトコンドリアの起源です。
彼らは静止した粒ではなく、細胞内を活発に動き回り、くっついたり離れたり(融合と分裂)を繰り返しながら、私たちの命を支えるダイナミックなネットワークを築いています。

【参考・引用元】 ミトコンドリアDNAの“動き”の制御で ミトコンドリアの機能を向上 https://www.ccb.osaka-u.ac.jp/wpccb_handle/wp-content/uploads/2024/03/IshiharaNaotada2024JP.pdf
50代の活力を生む「極小のモーター」:ATP産生の仕組み
ミトコンドリアの最大の役割は、私たちが生きていくためのエネルギー通貨「ATP(アデノシン三リン酸)」を作り出すことです。
その仕組みは、まるで精巧な発電所のようです。食事から得た栄養と、呼吸で取り込んだ酸素を使い、ミトコンドリアの内側の膜で「電子」をバケツリレーのように受け渡します。
このエネルギーを利用して、実際に「ローター(回転軸)」のようなタンパク質を物理的にクルクルと回転させることで、爆発的なエネルギー(ATP)を生み出しているのです。50代の活力低下は、このモーターの回転効率が落ちている状態と言えます。

【参考・引用元】 糖尿病関連腎臓病の新たな悪化メカニズムを発見!~腎臓のミトコンドリア呼吸鎖Iは新たな治療標的になる可能性 - 国立大学法人 岡山大学 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r5/press20240307-3.pdf
古い工場は自ら解体! 驚異の品質管理「マイトファジー」
"エネルギー工場"は、稼働し続けると排気ガスのような「活性酸素(サビ)」を出します。
"工場"が古くなるとサビ漏れがひどくなるため、ミトコンドリアには自ら不良品を検知してスクラップにする驚きの機能が備わっています。
2016年にノーベル賞を受賞した大隅良典教授の研究で有名な「オートファジー(自食作用)」の一種で、損傷したミトコンドリアだけを専用の膜で包み込み、分解して再利用する「マイトファジー」という品質管理システムです。
この「壊して新しく作る」サイクルが、細胞の若々しさを保つ秘訣です。

【参考・引用元】 オートファジーによるミトコンドリア分解の仕組みとその微細構造 ... https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1263/
細胞から細胞へ「お引っ越し」? 最新研究が明かす驚きの働き
ミトコンドリアの働きは、自分の細胞内でエネルギーを作るだけにとどまりません。
近年の研究で、まるで宅配便のように他の細胞へ移動(トランスファー)することが分かってきました。
例えば肌の奥深くにある細胞(線維芽細胞)が老化すると、シワやたるみの原因になりますが、元気な細胞からトンネル(ナノチューブ)を通って新鮮なミトコンドリアが送り込まれると、老化した細胞が劇的に若返ることが確認されています。
また、機能不全に陥った発電所の一部を、5-ALA(5-アミノレブリン酸)と鉄によって「迂回(バイパス)」してエネルギー合成を復活させる画期的なメカニズムも発見されています。

【参考・引用元】 世界初!「ミトコンドリアトランスファー」で肌細胞(線維芽細胞)の「老化度」が改善! | 研究開発 | ロート製薬株式会社 https://www.rohto.co.jp/research/researchnews/technologyrelease/2018/0831_01
50代からミトコンドリアを増やし活性化させる”ミト活”を
ミトコンドリア中心の生命観を知れば、50代からの健康戦略が明確になってきます。低下した機能を補い、工場の数を増やすアプローチを取り入れることが重要になってきます。私はこの活動を、"ミト活"と銘打っています。
まずは「運動」。ジョギングや短時間の強度の高い運動(HIIT)は、高齢であってもわずか2週間でミトコンドリアを増やすスイッチ(PGC-1α)を強力に押してくれます。
そして「栄養」。発電所の稼働をスムーズにし、自らをサビから守る「還元型コエンザイムQ10」や、エネルギーの通り道を復活させる「5-ALA」といった成分を取り入れることで、細胞レベルからの改善が期待できます。

【参考・引用元】 還元型コエンザイムQ10で免疫老化対策 | カネカ健康カガク・ラボ https://www.knk-lab.jp/reading/detail94/index.html