「夜中に何度も目が覚める」「寝ても疲れが抜けない」……。 50代に入り、睡眠の質が落ちたと感じることはありませんか? 私も枕を変えたり、寝る前にお酒を控えたりと試行錯誤してきましたが、どうも決定打に欠けると感じていました。
最新の医学では「脳」と「腸」は私たちが思う以上に深くつながっているそうなのです。今回は、私が学んで「なるほど!」と感じた「腸と睡眠の密接な関係」について、みなさんにシェアしたいと思います。
【腸脳睡眠軸】腸・脳・睡眠がお互いに影響し合うネットワーク
これまでは「脳が疲れるから眠くなる」と考えられてきましたが、実は「腸内環境が良いと、脳に『眠れ』という指令が正しく届く」という仕組みが明らかになってきているようです。
逆に言えば、腸が荒れていると、いくら体を休めても脳はリラックスできず、深い睡眠が得られない可能性があるとのこと。
腸を整えることは、睡眠への意外な近道なのかもしれません。

なぜ「腸」が「睡眠」を決める?3つの新常識
2024年から2025年にかけての文献をリサーチすると、以下のような興味深い報告がなされています。
• 睡眠ホルモンの「材料」は腸で作られる?
良質な睡眠に不可欠なホルモン「メラトニン」。
この元となる「セロトニン」という物質の、なんと約90%以上は腸内で作られているというデータがあるそうです。
腸内細菌が元気でないと、そもそも睡眠ホルモンの材料が不足してしまう可能性があるのです。
• 「腸の時差ボケ」が全身を狂わせる
腸内細菌にも「体内時計」があることが分かってきているそうです。
暴飲暴食や不規則な生活、特に「寝る直前の食事(夜食)」をしてしまうと、本来休むべき腸内細菌たちが深夜残業を強いられ、この時計が狂ってしまうそうです。
これが脳の時計とのズレ(時差ボケ)を生み、日中のだるさや「寝ても疲れている」という不調につながると指摘されています。
• 睡眠不足が「腸のバリア」を弱める
さらに恐ろしいことに、睡眠不足は腸にもダメージを与えるという研究結果もあります。
寝不足が続くと腸のバリア機能が低下し、有害物質が漏れ出す「リーキーガット(腸漏れ)」という状態を引き起こすリスクがあるとのこと。
これが全身の不調につながり、さらに睡眠の質を下げる……という悪循環にはまりかねないのです。

良質な睡眠のための「腸脳同期」アクションガイド
最新のレポート(2024-2025年の解析報告書)をリサーチすると、「タイミング」こそが重要だということがわかってきました。
文献で推奨されていたアクションの中から、特に効果的だと言われる4つの戦略をシェアします。
1. 朝のスイッチ:「光」と「朝食」の同時押し
• アクション: 起床後1時間以内に、カーテンを開けて太陽の光を浴び、少しでもよいので朝食を摂る。
• 私が学んだ理由: 脳の時計は「光」で、腸内細菌の時計は「食事」でリセットされるそうです。
この2つを同時に行うことで、体内時計のズレ(時差ボケ)をピタリと合わせられるとのことです。
2. 昼の仕込み:「材料」を届ける
• アクション: ランチや間食で、水溶性食物繊維(海藻、ゴボウ、大麦など)や発酵食品(納豆、味噌)を意識して摂る。
• 私が学んだ理由: 睡眠ホルモンの材料(セロトニン)の9割以上は腸で作られています。
食物繊維は菌のエサになり、この「快眠の材料作り」を強力にバックアップしてくれるそうです。ただし、これも以下に記した摂取するタイミングが大事です。
3. 夜の鉄則:「腸の残業」をなくす
• アクション: 夕食は「寝る3時間前」までに済ませ、翌朝まで「10〜12時間の空腹タイム」を作る。
• 私が学んだ理由: 寝る直前の食事は、休むべき菌たちに「深夜残業」をさせることになります。
これが腸の時計を狂わせ、翌日の不調を招く最大の原因だと指摘されています。
4. 寝る前の環境:「菌」のためにスマホを置く
• アクション: 就寝1〜2時間前から、スマホやPCのブルーライトをカットする。
• 私が学んだ理由: ブルーライトは目だけでなく、腸内細菌のバランス(多様性)まで乱すという報告があるそうです。自分の目だけでなく、お腹の中の菌を守るためにも、夜はデジタルオフが良いようです。

「腸を整えることは、人生の質(ウェルビーイング)を整えること」。 今回の学びを通じて、そう強く感じました。50代からの健康管理は、ストイックな努力よりも、こうした「体の仕組み」を理解してあげる優しさが大切なのかもしれませんね。
とはいえ、どうしても寝る前にスマホやPCをチェックしてしまう懲りない自分・・・まずは明日の朝、しっかり朝日を浴びることから始めてみます!
参考・引用元リスト
【腸脳睡眠軸とメカニズム(セロトニン・メラトニン)】
• Tryptophan Metabolism and Gut-Brain Homeostasis (トリプトファン代謝と腸脳恒常性:セロトニンの90%以上が腸で生成されるメカニズムについて) https://www.mdpi.com/1422-0067/22/6/2973
• Gut-Brain Axis: How The Gut Microbiome Modulates Sleep Quality In Adults (腸脳軸:腸内細菌叢が成人の睡眠の質をどのように調整するか) https://www.researchgate.net/publication/395552782_Gut-Brain_Axis_How_The_Gut_Microbiome_Modulates_Sleep_Quality_In_Adults
• 腸内環境と睡眠の関係|腸脳相関とセロトニンの秘密 https://www.akihabara-naishikyo.com/blog/gut-sleep-relationship/
【腸の時差ボケ(Gut Jet Lag)と食事のタイミング】
• Gut jet lag: how circadian rhythm disruption undermines the Chrono-Microbiota-Motility axis (腸の時差ボケ:概日リズムの乱れがいかにして腸内細菌と運動性を損なうか) https://www.frontiersin.org/journals/nutrition/articles/10.3389/fnut.2025.1678482/full
• Bidirectional interactions between circadian rhythms and the gut microbiome (概日リズムと腸内細菌叢の双方向的な相互作用) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12513875/
• Gut microbiota, circadian rhythms and their interactions (時間栄養学と腸内細菌:食事タイミングの重要性) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12447470/
【ブルーライトと腸内環境への影響】
• Chronic blue light-emitting diode exposure harvests gut dysbiosis (慢性的なブルーライト曝露が腸内細菌叢のバランス異常を引き起こす研究報告) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10800827/
• Effects of Blue Light Exposure on Hepatic Inflammation and Gut Microbiota (ブルーライト曝露が肝臓の炎症と腸内細菌に与える影響) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12788133/
【睡眠不足による腸へのダメージ(リーキーガット等)】
• Sleep Deprivation Alters Gut Microbiome Diversity and Taxonomy (睡眠剥奪が腸内細菌の多様性と分類に与える変化) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40562421/
• The gut–brain–circadian axis in anxiety and depression (不安や抑うつにおける腸脳概日軸:炎症とバリア機能の関連) https://www.frontiersin.org/journals/psychiatry/articles/10.3389/fpsyt.2025.1697200/full
【実践ガイド・ウェルビーイング】
• The Gut-Brain Connection: How Your Gut Health Impacts Mental Wellbeing (腸脳コネクション:腸の健康がメンタルウェルビーイングに与える影響) https://www.surgepw.com/post/the-gut-brain-connection-how-your-gut-health-impacts-mental-wellbeing
• Exercise as a modulator of gut microbiota for improvement of sleep quality (睡眠の質向上のための腸内細菌調整因子としての運動) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12665681/